藤圭子はなぜ5年で5億も使うほどギャンブルに熱中したのか

藤圭子は2006年3月6日にケネディ国際空港で約42万ドル、日本円にしておよそ5000万円(当時)の現金を押収されています。そのことがメディアで流され、藤圭子の桁外れの金銭感覚が世間の知るところとなりました。

賭けマージャンに熱中した歌手時代

藤圭子は石原まさをの自宅に住み込みで暮らしていた時に、石坂まさをの母から麻雀を教えられ、度々麻雀を行っています。その当時、お金のなかった藤圭子は負けると賭金を失ってしまうため、絶対負けまいとして真剣になり、麻雀の腕がメキメキ上達したといいます。

デビューしてからも麻雀好きは変わらず、そのことについて歌謡界の重鎮の敏いとうは、2017年10月25日のアサ芸プラスで話しています。

13年に飛び降り自殺した藤圭子(享年62)とも交流はあった。彼女はギャンブルに目がないんだ。依存症と言ってもいい。中でも麻雀が大好きだったね。もう時効だろうから言うけど、サシウマ(特定の一人との順位争い)で50万とか100万という、とんでもないレートで一晩中、賭けていた。しかも昔から彼女は、現金払いじゃないと怒って、いつでもまとまった現金を持っていたからね。晩年にニューヨークの空港で何千万も持ち歩いて没収されたニュースがあったけど、特に驚かなかったな。

依存症と言ってもいいということは、暇ができれば麻雀をおこなっていたということでしょう。藤圭子が無類の麻雀好きだったというエピソードは、藤圭子の友人のカルーセル麻紀も2019年2月14日のTV番組で話しています。

まだ(宇多田ヒカルが)1歳半くらいかな、「麻紀ちゃん、ちょっとお願いがあるの」って。「どうしたの」って聞くと、「ちょっと用事があるの、ヒカル預かってくれない」というの。私、子供嫌いだから、赤ん坊なんて抱いたことないんだから。「お願い」って言われて、「あんた、どこ行くの」って聞いたら。「ごめんなさい、ちょっと麻雀してくるから」って。だから麻雀終わるまで待って。それ2回くらいありましたよ。

あやしている自分の赤ちゃんを人に預けてまで麻雀に興じるとは、敏いとうのいう通り、ギャンブル依存症といっていいでしょう。

カジノで豪遊するようになった理由

2006年のケネディ国際空港での現金没収事件について、藤圭子の訴えを2006年11月2日の女性セブンが報じています。

「藤さんは“今回の件はすべて家族のせいだ”というんです。“旦那も冷たいし、家族とも疎遠になって、ほとんど一緒にいない。寂しいし、ほかにもいろいろあって人間不信になっている。だから現金を持って、好きなギャンブルをして歩いている”と、切々と訴えるんですよ」(藤の知人)

家族から冷たくされたと思い込んだ藤圭子は、強いストレスを受けたと考えられます。そして人間不信から境界性パーソナリティ障害の人に特徴的な空虚感を強く感じるようになったものと思われます。

空虚感はつらい感情です。藤圭子はそれを埋め合わせるために、一時は治まっていた境界性パーソナリティ障害に特徴的な自己破壊的ギャンブルに再びのめり込んだと考えられます。

何億も持っていた藤圭子はギャンブルに賭ける金額も桁外れの大金となりました。そうした行為で大金を失うかもしれないというスリルを感じることで、空虚感からつかの間だけ逃れることができたのでしょう。

2006年の現金没収事件の弁明のために、テレビのインタビューを受けた藤圭子には精神的な不安定さが見られます。これは藤圭子が患っていた境界性パーソナリティ障害の症状が現れていたためだと考えられます。

体調不良を告白

藤圭子は2006年9月のテレビ朝日のインタビューで体調不良を告白しています。2013年8月23日のビジネスジャーナルに記述があります。

本名の「純子」で取材に応じ、「私はもう藤圭子でもなんでもない。封印した」「原因不明ですけど、この20年間、吐きまくりの人生です。週に3回は吐いてる。今でもそう。だからどっか悪いと思うんだけど」と体調不良を告白している。「24時間、頭が痛いし、24時間、口の中が風邪をひいた時みたいに38度の熱があるし。体中痛いですね。それから寝られない」などと次々と症状を訴え、精神的にも肉体的にもバランスを崩していたようだ。

境界性パーソナリティ障害の人が感じる空虚は、肉体的な痛みを引き起こす場合があります。藤圭子の体中の痛みは、境界性パーソナリティ障害の症状かもしれません。あるいはストレスが原因で痛みが起こる身体症状障害の可能性もあります。不眠は境界性パーソナリティ障害ではよく見られる症状です。発熱や嘔吐はストレスで起きる心因性の可能性があります。

境界性パーソナリティ障害は、人とのつながりを求めずにはいられない疾患です。藤圭子は家族との絆が絶たれ、孤独でストレスフルな状況にあったのでしょう。