ラジオの生放送を途中で放棄した藤圭子

1982年8月発行の週刊平凡から引用します。

妊娠5ヶ月 藤圭子が身重の体で、夫・宇多田照實さんとなぜか、ニューヨークへ

いまや、所属プロの社長・藤原成郷さんとの莫大な金銭をめぐる裁判闘争でしか話題にならなくなっていた藤圭子。

しばらくマスコミから遠ざかっていると思ったら、現在、妊娠5ヶ月であることが判明した。胎教と出産という名目で、11日午前10時、ニューヨークに向けて旅立ってしまった。

「裁判は弁護士さんにおまかせしてあります。いまは体が一番大事な時期。余分なことは考えたくありません」と言い遺して……。裁判所の判事さんが聞いたら、さぞ心証を悪くすると思うのだが……。

今年1月、夫の宇多田照實さんとの同棲が発覚した時、「好きな男女が一緒になって、どこが悪いんですか。古いですね」と、同棲をめぐって事務所と対立したのも裁判にまで発展してしまった遠縁になっていると見る関係者も多い。

「前は子供は嫌いだったんですが、いまはいやじゃなくなりました」と、やや大きくなったバストに手をやり、母となる喜びに浸っている。予定日は今年の暮か来年早々だという。

彼女がカムバックしたこの1年。ヒロインを演じた『新・海峡物語』が不評のため途中打ち切りになり、勝負曲『蛍火』も不発。その上、ラジオの生放送を途中で放棄してしまったこともあった。

今回の行動も ”身勝手” と受け取る人が大半だ。「歌手という職業は夢と希望を与える仕事。今は歌を歌える心境ではありません」という藤圭子だが、度重なる悪評で、事実上の引退に結びつきそうだ。「社長が付けてくれた芸名なんか返します」と、再度、圭子に戻したというが、もう、お呼びはかかるまい。

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歌手引退から復帰した藤圭子は、実業家の藤原成郷氏の事務所と契約して活動を再開しますが、契約内容をめぐって裁判になるまでこじれていました。その裁判中に出産のために照實氏とともにニューヨークへ出発します。

藤圭子がニューヨークで出産することにしたのは、マスメディアなどにわずらわされない静かな環境で生みたいと思ったこともあるでしょうが、生んだ子供を世界で通用する歌手に育てるために、ニューヨークで生むことに決めたのでしょう。美川憲一によれば、藤圭子は宇多田ヒカルを生む前から生んだ子を歌手に育てると決めていました。詳細は こちらの記事 を参照してください。藤圭子一家が次に来日したのは、どうしても裁判に出廷しなければならなくなった翌年、宇多田ヒカルが生後5ヶ月のときでした。

復帰した藤圭子ですが、引退からわずか2年足らずでの復帰で、人々が白けてしまったことが大きいのでしょう。自らが主役のTV番組『新・海峡物語』が低視聴率のために途中打ち切りとなり、新曲『蛍火』も事務所とのトラブルのために満足な宣伝活動ができず不発に終わりました。

藤圭子が、ラジオの生放送の途中で番組を放棄してしまったことがあったといいます。番組の中で藤圭子にとって、何かとても気に入らないことがあったようです。ですが生放送中に放棄することは何があろうがやってはいけないことでしょう。このエピソードは、当時の藤圭子にとって、感情のコントロールが難しかったことをうかがわせます。

記事の論調は全体として藤圭子に批判的です。プロダクションとの裁判にまで問題がこじれた原因を藤圭子の ”身勝手” だとしています。この裁判は1986年1月に判決が下され、藤圭子は受け取った契約金のうち2,000万円をプロダクションに返し、プロダクションは藤圭子に未払いの給料200万円を支払え、というもので藤圭子に不利な判決でした。

復帰後の藤圭子の芸能界での評判は芳しくなかったようです。週刊宝石 1983年1月16日号にそんな記事が載っています。

「2年前までの彼女は大スターでしたからね。そのプライドが、何をするにもつきまとうんです」

という彼女に対する批判の声もある。そもそも藤原氏との間に生じた不協和音の一半は藤にもあるというのである。

たとえば、ニュージャパンプロでは、地方へ行くのも付け人をつけず、マネージャーと2人だけ。つまり、藤は自分の荷物を持つことになる。そういうことへの不満。

また、たとえばーー。

「ふつう、歌手でもタレントでも、周囲の面倒を見てくれた人には小遣いぐらいあげるのに、彼女にはそれがない。”おつかれさん” のひとことだけです。かつて大スターだったころの習慣ですね」

また、2013年09月1日の週刊実話には、歌手復帰した

「藤の行動はいつも衝動的で行き当たりばったり。周囲はついていけないから、どんどん人も離れていった」(元マネージャー)

とあります。

復帰した藤圭子は精神的な不安定さも相まって芸能界にはますます合わない人となったように見受けられます。